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対談シリーズvol.4 ゲスト:坂田俊文(東海大学教授・工学博士)

坂田俊文 対談シリーズの第4回は、画像情報工学のパイオニア、坂田俊文教授に伺う、いじめ問題の対処法です。今、大きな社会問題になっている、子供達のいじめ。それは、社会の問題だけでなく、個人の意識の問題でもあると先生は言います。何でも、現象として大騒ぎするのではなく、根本的な問題はどこなのかを考えていくべきという考え方に、環境問題も含めた結論があるようです。

第4回 『 いじめに負けるな 』

杏里:先生は日ごろ子供達に地球のことを教えたりされているので、いろいろな子供達と接する機会が多いと思うのですが、今、子供達の中でのいじめが、大きな社会問題になっていますね。ただ私は、いじめというのは子供の問題というだけでなく、大人の世界も子どもの世界も似たようなことがあると思うんです。だから、これはみんなで乗り越えていかなければいけない問題なのではないでしょうか?

坂田:僕 もそう思いますよ。みんなで乗り越えるべきだと思います。何も個人だけの問題じゃなくて、集団でもいじめられるでしょう?国同士でもいじめがあるじゃないですか。だからいじめというのは人間が生活をする限り存在するんです。だからそのいじめに耐えるだけの力を持つべきだと思います。そしてそれは、一人一人の役割として、個人としてやっていくしかないと思います。それを大人が止めたり、システムで止めようとすると無理が起きるんですよ。

杏里:人が助けてくれるのを待つのではなく、自分で乗り越えさせないといけないんですよね?でも、その乗り越え方をどう教えていくかということが、学校でもまだちゃんとできていないような気がします。

坂田:そうですね。それから死ぬということはどういうことかとか、生きていくというのはどういうことなのかということ……そういうことをもっと厳しく、ちゃんと子どもに教えていかないといけないと思います。いじめの延長として、自殺……死ぬというのがあるじゃないですか。だから、よけいに今問題になっているんですよね。

杏里:本当に、子供の自殺というのが増えていますね。何か連鎖反応のような感じがして、とても悲しいことだなと。自殺が社会現象になるというのは、とても大きな問題ではないかと思うんです。

坂田:誰かが何かをしたら、いじめが減るとか、自殺が減るということではないと思いますよ。子供達自身の心の問題。例えば僕は思うんだけど、いじめられたら復讐してやろう!とかね、まず。いじめられたらやり返すというのがひとつの解決だと思います。極端な言い方だけど、そのぐらいの強さを心に持てばいいんです。

杏里:相手に仕返しをして、もっと傷つけるということではなく、相手に何かを訴えるということですね、一方的に受け身にならないで。それは、ひとつのコミュニケーションですよね。

坂田:あるいは、いかにしてその問題からうまく逃げ切るか、という方法もある。その方法を考えようとしない者が、自殺に逃げ込むのではないですか? 知恵を持て!と僕は言いたいです。

人類大破局/「太陽」を解読する

杏里:確かにそうですね。社会のせいとか、学校のせいにする前に、まず自分でもとことん解決策を考える。そういう考え方を、坂田先生のように、きちんと子供達に教えていくことも必要ですね。

坂田:僕は地球が破滅するという本を書いたりするとすぐ評判が悪くなるんだけど(笑)、NHK出版から「ジオカタストロフィー」という本を出したときに、担当者に「先生、これは恐ろしすぎて売れない」と言われたんですよ。だから、「破滅回避のシナリオ」というのも作って、上下2巻で出したんです。上巻が「死滅」、下巻が「回避」。そうしたら回避のシナリオの方が売れるんです。破滅の方はあまり売れ ないんです。これでもわかるように、人間はいやなことから結構逃げるんですよね。でもいやなことは、どこへ行ってもあるのだから、それに対してどう対処するかということは、ちゃんと受け止めていかなければダメなんです。その方法は2つしかない。徹底的に逃げて逃げ切るか、あるいは徹底的に闘うかなんです。そして、知恵を働かせてうまくそれを利用して勝つ。

杏里:あるいはそれを自分の成長の糧として、前向きに考える方法もあると思うんですよね。「ああ、自分は今周りに打たれてるんだな」と。「じゃあ、これは自分の試練として潔く打たれてみよう」と。相手を傷つけてやり返すのではなくて、打たれた分自分自身が成長していって、相手を越えて、よりも成長するという気持ちでいることが大事だと思います。打たれている間は苦しいし、辛いし、悲しいし、それはもうものすごく過酷なんだけれど、それを乗り越えていって、より大きく強い自分を見つけて欲しい。もちろん、最初はそんな余裕なんてないのだけれど、その時期が全てではなく、自分が成長するために必要な時期なんだと考えていくことが必要なのではないかと思います。

坂田:僕の経験から言うと、僕はいじめられやすかったんです。余計なことをたくさんやるから(笑)。小さい頃からイタズラだったしね。

杏里:私も、どちらかと言うといじめる方というか、好んで誰かを傷つける事をしてはいけないと思っていた方だったかな。とは言いつつも、完璧だったとは言えないとは思いますが。特に十代の頃は、まだまだ何が良いか何が悪い事なのかが大人達が教えなければわからない時期ですよね。今はどちらかといえば学校側が責められる事が多いような気がしますが、基本的に学校と言う場所は学問など勉強をする所であって、いわゆる基本的なしつけや、色々な事を乗り越えるための体力や精神力は、学校以外の日常の生活の中で教えてあげる事が大切ではないのかなと思います。そのような義務はやはり親や大人達にあるようにも思いますね。学校という子供達の社会でどのよ うに学んで行けるか、親や大人達の監視は大切だと思います。私の場合はちょっとした事情で嫌な思いはけっこうしていましが、そこで救ってくれる子が出て来 たんですね。ところがどっこい!実は、その子も仲間だったのを知って、もうそれはへこみました。こういうことは、大人の世界にもありますよね。やはりそ れはとても厳しかったですが、そのおかげで、その後のいろいろなこともうまく乗り越えられたと思います。だからこそどのような事があってもうまく避けて行 けるこつをつかむトレーニングが必要だと思いますね。ただ、それぞれの家庭の事情や、色々な意味もひっくるめて、ますます複雑になって行く社会の中で、こ のような事を解決して行くのはとても難しい事ですよね。ファンの方達からも色々な悩み事や、ご相談のお手紙やメールなど、スタッフの人達を通して頂きますが、やはりそれぞれ学校側、また親の立場など、両者の方達の事を思うと、とても感慨深いものがあります。ところで、私事ではありますが、1、2歳の時から閻魔さんのお話をよく聞かされていたんですよ。針の山だの、嘘をつくと舌を切られるだの、とても怖い話をリアルに聞かされ過ぎて、夢でうなされて金縛りになっていたんですね。まあ、そこまで子供たちには怖い思いをさせる事は経験上お勧め出来ませんが、多少なりの効果はあったかな?とは思います。

坂田:そう、トレーニングですね。いじめられる方も、慣れてくると、いじめられ方がわかってきて、「あ、来たな」とかわかるんです。そうするとだんだん「回避」の方法を考えるんです。僕は体が小さいから、でかいやつによくやられてました。そのうち、こういう方法を考えた。昔はみんな靴じゃなくて、下駄を履いてたじゃないですか。で、相手が来たら、まず下駄を脱いで手に持って逃げる格好を見せて、相手が油断したその瞬間、相手の顔をその下駄でぶっ叩くんです(笑)。相手は不意をつかれてびっくりして怯む。その間にすぐ逃げるんですよ。逃げる途中に自転車があったら倒す、植木はすっとばすで相手が追いかけてくるのをガードして、逃げて逃げて逃げ切る。

杏里:ひとつの作戦ですね。

坂田:それで、相手から遠くに離れてから悪口言うの、徹底的に。「このアホ、とんちき、この野郎・・・」とか。相手が絶対手を出せない、川の向こう側とか遠いところから、いっぱい悪口を言う。

杏里:目の前で言うと、すぐにやられてしまうから、自分の身の安全を確保してから、思いっきり日ごろのうっぷんを晴らすわけですね。

坂田:そうです。できるだけ大きな声でどなるのがいいんですよ。

杏里:心の中に溜まった、相手への嫌な思いを、全部大きな声で吐き出してしまう。それって、とっても健康的ですよね。溜めるより、全部言っちゃった方がいいと。

坂田:何も言わずにめそめそ泣いちゃダメなんです。もし泣くんだったら徹底的に泣くのがいい。そうすれば向こうが慌てるから。

杏里:泣いて驚かす・・・「ウワ~~!」って、相手がビックリするくらい大声で泣いちゃう作戦ですね。それも、自分の心の中の悪い気を、全部吐き出すのにいいような気がします。

坂田:それから目につくもの何でもいいから、みんなぶん投げる。

杏里:それも、相手は驚くし、自分の中のストレス解消になる。ちょっと、周りに迷惑をかけるかもしれませんが……。

坂田:よく昔、植木があったじゃないですか。じいさんとばあさんが育ててたような。それを思い切りぶん投げるんですよ。そうすると、そこの家の人が出てきて「投げるなー!」と言われるんだけど、僕は「あいつが悪いんだ」と、いじめた奴のせいにして逃げてましたね。

杏里:そこまでやるといじめる方も「もう相手にするのやめよう」って感じになってしまいますよね。自分のマイナス面に閉じこもらないで、知恵を使って、相手のこと をリサーチしたりしたらいい。今は肉体的にいじめられるというより、精神的なメンタルな部分のいじめがすごく多いから……メンタルというのは逃げ場がないんですよね、こもってしまえばしまうほど。だったら知恵を働かせて逃げる方法を考えるという、プラスの方向に切り替える。これが、先生のおっしゃる“いじめに耐える力”なのではないかと思います。でもみんなそれぞれ性格も違いますし、今の子は確かに、そういう“耐える力”を考えると、弱いかもしれないですね。

坂田:そこで僕が思うのは、今のいじめに対してはハードパスとソフトパスだなと。けんかして敵を打つのはハードパスだし、それから今みたいに逃げ込んじゃうのがソフトパス。両方混ぜてやってもいいし。そういう考える力、知恵を持つこと。そしたらやり過ごせるんじゃないかなと思うんです。これは、全てに言えることなんですよ。環境問題の解決も「大変だ、大変だ」と言っているより、何が大変なのか、原因は何なのか、解決するにはどうするのかを考えなければならない。それを解決するためにはまず、知識が必要。基本から学ばないといけない、そう思うんです。

杏里:現象に振り回されるのではなく、自分の中にちゃんと知識をもち、解決策を考えていくということですね。本当に今回は、いろいろなエピソードも交えて貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。私も、自分なりにいろいろな問題に正しく目を向けられるよう、学ぶべきことは学び、何か貢献でることがあれば、積極的に関わっていきたいなと思っています。

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