ANRI[杏里]公式サイト|anri-box.com

ANRI[杏里]公式サイト|anri-box.com

ANRI STYLE

杏里スタイル
対談シリーズvol.3 ゲスト:坂田俊文(東海大学教授・工学博士)

坂田俊文対談シリーズの第3回は、画像情報工学のパイオニア、坂田俊文教授が素晴らしい想像力でイメージした、地球に優しい暮らし方のお話です。ちゃんと科学的根拠をもちながら、誰も思いつかないような、ユニークで楽しい発想は、子供の想像力に通じるものがあり、その坂田ワールドに、杏里はぞっこん!“速い”“便利”ということとは全く違った角度の未来都市作りは、聞いているだけでワクワクしてきます。

第3回 『 坂田式エコロジーな暮らし 』

杏里:最近気になっている事はやはり日常生活のなかでついつい無駄づかいをしてしまっているなあ、と思う事があるのですが。便利になったぶんいろいろな物があふれていますよね。

坂田:そうですね。日常的な問題で、反省すべきものはいっぱいあるんじゃないですか?確かに無駄なお金を使っていますね。

杏里:ミネラルウォーターなんかどうなんでしょう? 今は当たり前のようにペットボトルに入っていて、確かに便利ですが、もしかしたら無駄なのでは?と思うんです。最近ではペットボトルの回収なんかも進んでいて、リサイクルも進んでいたり、企業もいろいろ考えていますね。でも、有害物質であるのは確かで。これは私の理想なんですが、有害でなくてしかも衛生に良い、割れないガラスのペットボトルみたいな物がいつか開発されたら真っ先に買いたいと思っているんですよ。グラスでのむお水の方が美味しいですし。

坂田:そうですね。それと、本当に、表示してある水が入っているのか?っていうのも怪しいですね。そのへんは、飲む側もちゃんと知っておく必要がありますね。海洋深層水ってあるでしょ?あれ、海水なのにしょっぱくないよね。それは電気分解で塩分を抜くわけですが、中には海の底の方の水はしょっぱくないって、本気で思っている人もいるんですよ(笑)。

杏里:消費者も、知識や自覚をもたなければいけませんね。有害な物を作っているのは企業なわけですが、これらの責任は企業のみならず、私たち消費者の責任でもある。それも、世界規模の責任や認識の問題だと思います。とても時間がかかると思いますが、改めて原点と言うものを見つめなおす大切さを感じます。

坂田:そういう問題意識をみんなもてば、ずいぶん変わってきますね。杏里さんなんか実際に、海洋深層水のある海底を見てみるといいですよ。

杏里:そう言えば、ずいぶん前から先生に、海底の調査に使う球体の潜水艇『しんかい(深海)』に乗らないかって誘われていますよね。怖いから、ずっとお断りしていたんですが、そろそろ乗ってもいいかなっていう気分になってきました。海底がどうなっているか、自分の目で見てみたいなって。

しんかい

坂田:それで、海の底で歌うのもいいね!

杏里:“先生に、出会った頃はこんな日が来るとは思わずにいた”なんて(笑)。海底火山なんか、想像や勇敢なカメラマンの方達が撮った映像しか見た事がないので非常に興味があります。想像のつかない世界に飛び込んで色々な物を目の当たりにした時の感動も味わって見たい。きっと何か新しい発見があるでしょうね。そういうのを見たら、本当に人生変わるかもしれない……。

坂田:変えましょう!人生を変えるのって、意外と環境だったりするんですよ。環境を知ると、こんな人生でいいのかな?って思うでしょ? 生活を変えようと思うようになる。ペットボトルはもったいないからグラスにしようとか。

杏里:グラスも大事に扱うようになりますしね。

坂田:世の中には、そういう無駄がいっぱいあって、その無駄がいいっていう人もいるんだけど、今の時代はそうも言ってらんない。例えば焼き物ね。これ、ものすごい量を作っているんですよ。日本人一人に対して、年間平均10個ぐらい。で、作っている最中に、気に入らないやつは割るでしょ。でも、焼き物って、作るのにものすごい熱エネルギーを必要とするんですよ。

杏里:意外なところで、知らない内にエネルギーの無駄遣いをしてしまっている。身近な生活の中の、電気などの無駄遣いだけでも、もっと意識していきたいですね。

坂田:問題を解決するのに、今は機械的に解決しようとすることが多いでしょ。ごみの収集を機械化するとか。でも、問題を根本的に解決するには、ごみを出さなきゃいいわけでしょ?減らせばいいんでしょ? まずそっちを考えないで、後処理のことばかり考えるから、結局、山奥に捨てたりすることになるんですよ。

杏里:確かにそうですね。あと、生産する側が、根本から変えていかなければならないっていうのもありますよね。企業がまずそれをやらないと。日本のトヨタのハイブリッド車なんかは、そう言う意味では、すごく早かったですね。今さら言うまでもなく、世界でこれだけの評価を得、また実績を出したと言う例を見ても、世界中がそういうことに目覚めつつある証拠だなと思います。

坂田:自動車だってだんだん変わってきてるんですよね。自動車は、馬に代わる便利さで始まったでしょ? だから、自動車を考えるとき、馬をまず考えればいいんです。馬車を。馬車は、人が担いでいたカゴに車を付けただけ。それが乗用車の原型で、前の御者が乗っていたところが運転席になってる。古い車は、まさにそうなってるんです。自動車の原点は馬車なんですよ。

杏里:今、東京で馬車が走ってもカッコイイですよね。考えただけで、ウキウキしてくる。だって、都内って車で走ってる意味ないくらい渋滞するじゃないですか。

坂田:馬は、交通道路法違反にならないんですよ。農学部の馬術部は、馬をたくさんもっててね。で、みんな「馬はいいですよ」って言うの。なぜかっていうと、馬は自分の馬小屋の場所をよく知ってるから、帰りに乗る人間が酔っぱらっていても、乗っていれば、勝手に自分で家に帰ってくるわけ。

杏里:それは便利ですね。ロンドンやニューヨークでは、警官が馬に乗っていますよね。そういうことも、考えていったらいのではないですか?

坂田:馬はね、環境にはなかなかいいかもしれない。排気ガスが固体だから。その収集だけ考えればいい。

杏里:そういう生活もしてみたい気がします。

坂田:昔、自動車は早く行くというのと、重たいものが運べる、人数を一度にたくさん運べるっていうので、どんどん発達したじゃないですか。でも、原点に戻れば、一人に1台あればいちばん便利だと。一人1台で小さければいいわけですから、馬みたいなロボットを考えればいいんだよね。身障者用の、小さな自動車なんか見ると、欲しくなるような素晴らしいものがありますよ。コンパクトだから、普通の駐車場だったら、1台のスペースに4~6台停められる。あれはいいんじゃないかな。あと、大きい車だと、タイヤも何も重たいでしょ?たかだか60kgの人間を運ぶのに、1トンぐらいあるじゃないですか。そのためのエネルギーがいるわけですよ。60kgの人を運ぶんだったら、60kgの人を運ぶエネルギーでいいわけだから、1/5、1/10のエネルギーでいいし、そうすると燃料も少なくていい。

杏里:車の大きさが小さければ、そんな大きな人身事故も無くなりますよね。

坂田:それと、タイヤにするからいけないんで、4本足なら、階段を上り下りできるね。今、ロボットコンテストみたいのをで、いろんなのが出てくるじゃないですか。あれ、いいから、僕はどんどんやれって言ってるんですよ。その内必ず、個人走行用車が出てくると思う。期待してるんだけどね。

杏里:楽しみですね。とにかく、都内のこの渋滞は、何とかして欲しいです。

坂田:でね、高速道路は、車を走らせるんじゃなくて、ベルトとかフックが走ればいいの。で、車をフックに掛けると、ヒュ~ッ!と走る。

杏里:車じゃなくて、道の方が走ってくれるわけですね。

坂田:そうそう!考え方を変えればいいんですよ。スピードの違うベルトがいっぱい走っているとか。

杏里:ベルトを動かすエネルギーは必要ですよね?

坂田:でも、車を動かすエネルギーより、はるかに安くすむ。電車が車両を引っ張っているのと同じですよ。

杏里:これから、車産業って、どんな風に変わっていくのでしょうか?

坂田:車産業が今意識しているのは、人間を運ぶ、ものを運ぶということですよね。今、人間一人を運ぶために使っている車は、1.5トンから2トン近い重さなんです。単純に計算すると、1台が100馬力以上ね。船を見ると、1万トンの船でエンジンは1万馬力ぐらい。だいたい1トン1馬力ですね。車は1トン100馬力以上でしょ。何で船が1トン1馬力で済むかというと、水の浮力があるからね。だったら、車も浮力を使えばいい。で、僕は前に本に書いたんだけど、高速道路に水を入れちゃえばいいんです。高速水路にするんですよ。

杏里:なるほどね。この辺の発想が先生の特徴ですね。でも、こういうところから、素晴らしい未来が出来上がっていくんでしょうね。想像し、素晴らしい発想で語った事や夢が、本当に実現出来たらいいですね。

坂田:そう!まず想像して、それからやってみることね。

杏里:私も、どんな事でもこの世に生まれて来たからには、やってみるべきだし、夢は必ず実現する、と思い込むことが大切だという考えなんです。それが本当に実現につながるのだと思っていますし。有言実行、行動に起こすことをいつもこころがけていますね。もちろんうまく行かない事の方が多いんですが、それはそれで結果はどうであろうと、頑張ったこと、学んだことで得るものも大きいんです。本当に人生と言うのは考え方次第でいくらでも楽しめますね。

坂田:そう、だから僕の考えもいいと思うでしょう? 高速水路にすれば、車も1馬力で済む。で、水路から降りるときは、30馬力ぐらいのエンジンに切り替えればいい。

杏里:それって、どこかに提案されたんですか?

坂田:本に書きました。でも、本があまり売れなかったの(笑)。

杏里:その本を、是非ここで紹介してください。

人類大破局/「太陽」を解読する坂田:『人類大破局』(徳間書店)……かな?あるいは『太陽を解読する』(情報センター出版局)のどっちかに書いてあります。この高速水路は、交通事故が起きても、エネルギーが小さいから大事故にならない。車から放り出されても、水だからケガしない。おぼれなきゃいいんだから。せいぜい1メートルの深さで充分だから、おぼれることも無いでしょう。どんなにスピード出したって、水の中のスピードだしね。

杏里:確かに、いろいろな意味で安全ですね。

坂田:安全でしょ?で、怪しい車が来たら、水を抜いちゃえばいい。そうすると、止まっちゃうから。高速道路を水路にしたら、下にコックを付ければいい。下で火事が起きたら、そこにホースをはめて消火に使える。

杏里:スゴイ!無駄がないですねえ!

坂田:でもね、そういう本はあまり売れないんですよ。

杏里:でも、どれも面白いし、すばらしい発想ですよ。先生の、そういうお茶目な発想が素敵ですね。だからこそ、私たちみたいな素人でも、環境問題やエコの現実を、 面白く受け入れられる。今回のお話しも、堅苦しく“環境保護!”っていうんじゃなくて、すごくわかりやすく、自然に入ってくるような対談記事にできたらいいですよね。坂田先生って、ものすごく気さくだけど、素晴らしいことを考えていらっしゃるんだな……と、みんなに気付いてもらえたらと思います。

坂田:僕は、子供の頃からイタズラのことばっかり考えていたんですよ。こういう発想は、その延長みたいなもんなんです。子供の頃、よく大人をイタズラでひっかけて「こらあ!」って怒られたの。大人は子供にひっかかると、あんな子供にやられたって、すごく怒るんだよね。それが面白くてね。いまだに同じなんです、気持ちは。やっぱり何をするにも、面白くないとね。

トップへ前のページ次のページ